2022年を振り返って – 当社のCEOからの便り

2022年は、Roblox（ロブロックス）にとって素晴らしい年でした。当社は、人がつながる方法をゼロから作り直すというビジョンに対して楽観的に取り組んでいます。当社では、より深みのある形態の表現やコミュニケーション、没入感を達成できるようにしながら、これを実現していっています。

Robloxでのエンゲージメントを地域や年齢層ごとに拡大させるための投資の結果が実を結びつつあります。当社のコミュニティは今年、全世界のデイリーユーザー数が5600万人以上になり、23%拡大しました。当社のユーザーのみなさんは、合計493億時間以上も一緒になって制作したり、遊んだり、冒険したり、学んだり、人間関係を作ったりしました。現在、Robloxを使っている方々の半数以上が13歳以上になっており、当社のプラットフォームが幅広い年齢層の方々に受け入れられていることの証となっています。

当社の事業の成長において、Robloxのすべての分野でイノベーションを起こし、改善していくことが重要な役割を果たしてきました。以下は、2022年に当社が達成した主な事柄です。

自己表現の方法と繋がる手段を提供

重ね着機能（レイヤード・クロージング）の発表など、当社はみなさんが自己表現したり、自分のアイデンティティを独創的な形で表現するのを支援し続けてきました。この機能によって、衣装やアクセサリがどんなアバターの体型にもフィットするようになりました。シャツやワンピース、セーター、ジャケット、スボンなどを重ね着できるようになり、実際の服と同じように着られるようになっています。これによって、当社のコミュニティのみなさんに今までに見たこともないような衣装を作成する力が備わりました。ユーザーのみなさんは、信じられないくらい幅広い体型や服装でコーディネートできるようになり、アバターのカスタマイズがさらに新しい境地へとレベルアップしています。この機能を始動させてから、すでに1億1500万人以上の方々に重ね着アイテムを使っていただきました。

当社は、Robloxでのみなさんのやりとりのクオリティと没入感をさらに高め続けています。現在、13歳以上として年齢確認済みの方々は、音声を使ったチャットができるようになりました。この機能は、対面の会話に近くなるように設計されています。近くにいる友達にはささやき声で話せても、部屋の向こう側にいる人に話しかけるには大きい声を出さなければいけないという風にアバター同士の距離が反映されるようになっています。Robloxの仮想空間の中でほぼ100万本がボイスコミュニケーション機能をオンにしています。

年末にかけては、連絡先インポーター機能を公開しました。これはリアルでの友達を見つけて繋がるのに、安心で安全な方法です。連絡先インポーターは、Robloxのプラットフォームで友達がすぐに分かるように、ユーザーのデバイスに保存してある連絡先リストの名前と同じものを使用しています。さらに、13歳以上の方が友達を直接、追加できる友達のおすすめ機能も公開しました。この2つの機能は、コミュニティのプライバシーと安全を守りながら、他の方々ともっと簡単につながれるようにするために重要なものでした。

クリエーター向け事業チャンスの拡大

その他の重要なイノベーションは、誰でもRobloxを使って制作できるようにするという当社のビジョンに特化したものでした。当社では、新規のクリエーターの方から大規模な開発スタジオまで、どなたでも作品を形にできるツールを制作しています。

2022年には、当社のコミュニティはプラットフォーム上で1500万本以上の仮想空間を訪問し、日々、開発者やクリエーターの方々は15,000本以上の仮想空間を公開してきました。この風車のように回転の速い制作を支援するために、3Dコンテンツを制作して公開できる無料の開発ソフトウエアであるRoblox Studio（ロブロックス・スタジオ）を改善しました。Roblox Studioはデザインがリニューアルされ、クリエーターのみなさんがワークスペースをカスタマイズしてチームメイトと途切れなく共同作業ができるように、高解像度ディスプレイ対応やナビゲーション向上のためのアイコンのデザインリニューアルなどの新機能も搭載しています。

2022年7月には、すべての既存の素材のビジュアルクオリティを高め、今までよりもリアルな感じに見せるために、当社の素材システムに数々の改善を加えました。Roblox上の素材は、現実の素材にそっくりになっています。素材は、3Dオブジェクトの外観を決めるだけでなく、どのように動くかに影響を及ぼす物理的な属性も決定します。当社の素材システムは、クリエーターのみなさんが美的なビジョンをさらに簡単に現実化するのに役立ちます。

また、仮想空間の開発の効率化を図り、生産性をアップさせるために当社の開発者エコシステムであるRoblox Cloud（ロブロックス・クラウド）に数々の新機能を追加しました。開発者のみなさんが所有しているすべてのRobloxのリソースにAPIツールを通してアクセスできるようになりました。これは、クリエーターのワークフローとカスタマイズを向上させるための豊かなツールエコシステムを実現しています。

年末にかけて、開発者向けのネット上のツールや文書をすべてひとつのプラットフォームの中にリソースとしてまとめた当社の新しいクリエーター・ハブ（Creator Hub）を公開しました。クリエーター・ハブに運営や管理にまつわるサポートがひとまとめになっているので、制作しやすくなり、スピードと効率もアップします。当社がクリエーター・ハブ用に構築しているテクノロジーによって、開発者の作品の忠実度と機能がアップします。

バーチャル経済活動の発展

2022年には、当社の経済チームは重要な指標を達成しました。マーケットプレイスにあるアイテムの90％以上がクリエーターが制作したものになり、Roblox上のすべてのコンテンツが完全にユーザーによって生成された状態にますます近づいてきています。当社は、ユーザーのみなさんが探しているアイテムを見つけられるようにして、以前とは違ったユーザー体験にするために、引き続きマーケットプレイスでの検索の向上に努めています。将来的に当社が思い描いているのは、特定のアイテムは限定的にしか手に入らないようになっていて、その他のアイテムは広く手に入るというように、みなさんが好きなアイテムに幅を持たせるということです。

今年の9月には、これまでで最大のRoblox開発者会議を開催し、没入型広告についての報告をしました。この革新的な3D広告体験は、ブランドや開発者が新しい方法で視聴者にリーチできるように設計されています。

安全性とマナーあるネットコミュニティ育成への投資

Robloxのコミュニテイが大きくなるにつれて、当社のユーザーにとって安全で思いやりのある環境を担保することに力を注いでいます。過去一年に渡って、当社はよくない人たちが有害な内容のコミュニケーションをしようとしたり、有害コンテンツをアップロードしようとしたりするのを防ぐために、人工知能と機械学習を導入した自動検知への投資を増やしてきました。

当社では、コンテンツとチャットの内容規制の精度を上げる努力を続けてきました。自然言語処理モデルを使用し、当社が指定した禁止用語に警告を出すだけでなく、文脈を理解した上でそれに基づいて判断を下すように当社のシステムを進化させました。2022年には、英語とスペイン語、ポルトガル語などでの自動内容規制機能を駆動するのにこのモデルを導入し、2023年には他の言語でも導入していく予定です。

これまで人工知能と機械学習に投資をしてきた成果が実り、当社では内容規制の最前線の部分を自動化されたシステムに安全な方法で割り当てることができるようになりました。Robloxは、問題と認識されたコンテンツへの対処時間に関しても有意な改善をしました。結果から言うと、内容規制におけるスピードは長い間、Robloxの強みでしたが、以前よりもさらに速くなり精度もアップしました。

ブランド向けの市場創出

Alo（アロー）ヨガからSpotify（スポティファイ）、ナショナル・フットボール・リーグ（NFL）まで、あらゆる分野のブランドが何百万人もの人たちをつなげ、楽しませるためにRobloxを活用しています。

Robloxは、エキサイティングな内容やバーチャル製品を制作する能力を企業に提供することで、日々、まったく新しいネット上のつながりを可能にしていっています。2022年には、100以上のブランドが参入しています。

みなさんが思いのままに自己表現できるツールを提供することによって、コミュニティのみなさんのびっくりするような創造性や興味深いトレンドを見てきました。内容は、パーソンズ・スクール・オブ・デザインと共同で出した「メタバース・ファッション・トレンド・レポート2022」にまとめてあります。このレポートは、デジタル・ファッションにおける新しいトレンドやビジネスチャンス、バーチャル世界のアパレルに触発されてRoblox上でみなさんがどうやって新しいやり方で自己表現するようになったかを深堀りしたものです。

当社は、広範な内容や学年、仮想空間のジャンルで高品質なコンテンツをプラットフォームに提供している教育に特化した開発者やコンテンツ提供者、教育者の方々の支援も続けました。Robloxコミュニティ資金の最初の被授与者であるボストン科学博物館との提携によって、プラットフォーム上で『ミッション・マーズ（火星探索）』という仮想空間の発表という教育分野における進展がありました。

当社のコミュニティの支援とともに企業や組織がRobloxに参入していくにつれて、クリエーターのみなさんに与えられるチャンスが増えていきます。また、コミュニティが成長していくにつれ、Roblox上で組織が独自の視聴者とつながるチャンスも増えていきます。この勢いが続くのを見ることは当社にとってエキサイティングなことです。

当社の人材への投資

これまで述べてきたことは、才能溢れる社員なしには達成できません。当社のプラットフォームのさらなる成長をサポートするために、当社は人材と経営陣の発展に投資を続けてきました。ニック・トーノウ（Nick Tornow）をクリエーター・エンジニアリング・グループのリーダーに迎え、直近では ジョン・ストーファー（John Stauffer）をエンジン・グループのエンジニアリング・ヴァイスプレジデント（VP）に迎えました。

共同作業がイノベーションを作り出すという精神から、7月にはサンマテオ本社で社員全員が一同に集まるRobloxウィークを初めて開催しました。いろいろなチームが一週間ほど集まり、人間関係を構築したり、コミュニティを強化したり、未来を形作っていく技術的なイノベーションを称えるアクティビティを行いました。そして、年末には225のチームが対面で集まって限界に挑戦し、プラットフォームの未来を切り開く独自のプロジェクトに取り組むハックウィークも開催しました。

最後になりますが、当社はファスト・カンパニーの2022年の「イノベーターにとってベストな職場トップ100」のベスト3にランクインしました。この受賞は、技術チームが何百万人ものクリエーターの方々からなる世界規模のコミュニティを尊重しつつ、責任感と長期的な視点を持って物事を成し遂げるという、当社のイノベーションを第一に考える企業カルチャーを反映しています。

今後の展望について

今後、みなさんの創造性と発明がRobloxをどんな風に成長させていくかを見守っていくのを楽しみにしています。当社は、それぞれのレベルで10億人の方たちを前向きな思いやりの心でつないでいく新しいチャンスを目の当たりにしています。当社の社員、Robloxの取締役会、Robloxコミュニティ全体に向けて、みなさんが成し遂げ、可能にしてくださったすべてのことに感謝したいと思います。来年もエキサイティングな年が待っています。

デヴィッド・バズーキ　別名：ビルダーマン（Builderman）

Roblox創立者・CEO