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2021年のRoblox開発者会議(RDC 2021)、Robloxのビジョンとこれからの展望についてのご報告

October 14, 2021

by Daniel Sturman, Chief Technology Officer


イベント テック

Roblox(ロブロックス)は、みんなが共有体験をすることでお互いに繋がったり、何かを制作したり、自己表現する方法を変えていっています。 当社のプラットフォームは、1日のアクティブユーザー数が180ヵ国で4300万人という驚異的な成長を遂げました。 これは、Roblox開発者会議(RDC)に毎年集まっていただく当社の開発者コミュニティによって作成された数々の没入型体験のおかげです。 RDCは、プログラマーや製作者、3Dアーティストたちが集まり、プロダクトとエンジニアリングのリーダの声を直接聞いたりしてお互いに交流する、数日間にわたって開催されるイベントです。

基調講演では、創立者でCEOのデヴィッド・バズーキ(Dave Baszucki)、開発者渉外担当VPのマット・カーティス(Matt Curtis)と私が、Robloxの開発者コミュニティと一緒に過ごしながら、この一年で起きた進歩の数々やプラットフォームについてのエキサイティングなアップデートについて語らせていただきました。

レンダリングの忠実度

2020年には、当社はレンダリングの忠実度の向上を図ってバーチャル世界に生命の息吹を吹き込み、実質的な改善を行いました。 当社がリリースした Future is BrightDynamic Skies、そしてPBR Textures(PBRテクスチャ)は、没入型レンダリングとシミュレーション技術を作るという当社のビジョンの前進にとって重要な一歩です。 これによって開発者が自作体験の外見や雰囲気をカスタマイズするのに、より高度な忠実度で使用できるようになりました。 次に、当社はリアルタイムで空気力学や 体験内のCSGのようなシミュレーション機能を発展させることに目を向けました。これによって、アイディアを実現化するために修正可能で写真のようにリアルな描写ができるようになりました。 このような改善によって、ヘリコプターや飛行機、曲線を含む実際の形を使ったスピードの速い車などを制作できるようになり、あとは当社の物理エンジンがやってくれます。

アイデンティティ

Robloxのアバターの当社のビジョンは、動き方から話し方や服装まで、デジタルバージョンのあなたであり、自分が思うままのなりたい姿です。 最新の近況報告として、これから始動する 重ね着のStudio ベータ版Dynamic Headsベータ版は、ユーザーが自分の感情やアイデンティティの幅と深さを表現できるようにするための最初の一歩となります。 重ね着によって、どのボディにも好みの重ね着アイテムを着せられるため、アバターをカスタマイズするときに着回しのバラエティが爆発的に増えます。 そして、Dynamic Headsが生き生きとした表情とエモートを実現します。 これらのリリースは、メタバースにおける表現力と着回しを改善するためのイノベーションの長い道のりへの重要な布石を象徴しています。

重ね着(静止)

強固な経済基盤の確立

開発者の生産性を最大限に引き出すツールやシステムの制作に加えて、当社はバーチャル経済構築のチャンスをもっと作り出しています。 当社にはRobuxを獲得している130万人の開発者とクリエーターの方々がいますが、今年は作品によって5億ドル以上の収入を得る見込みとなっています。 昨年、当社は魅力的な体験を制作している開発者への報酬(体験内購入を通じたRobuxの獲得に加えて)としてエンゲージメントベースのペイアウト(Premiumペイアウトと言います) を導入しました。 今日、当社でトップの10,000名の開発者のうち、50%が体験内の購入よりも、このようなエンゲージメントをもとにしたペイアウトで稼いでいます。 スポンサーつきコンテンツと一部の開発者が自作のアバターアイテムを製作して売る能力が持てるようにするという改善によって、Robloxプラットフォーム上で開発者に違った稼ぐ方法を提供しています。

Roblox Open Cloud(ロブロックス・オープン・クラウド)

Robloxでの開発者の未来は、Robloxオープンクラウドで何でも自由にできることです Studio(スタジオ)は、当社の開発者にとって驚異的なツールとなっています。 しかし、当社のコミュニティが広がって、さらに多様になっていくにつれて、みなさんが使えるツール環境を動かす能力をつけていただく必要があると感じるようになりました。 そのため、当社はStudioを介さなくてもサードパーティのコンポーネントを当社のバックエンドサービスに直接、ただつなげるというアイディアでオープンクラウドのプログラムを作りました。 これは、開発者が生産性を最大限にして制作したり、カスタマイズ用の一連のツールを見つけられる環境を作ってくれます。

こういったインターフェースを始動することで ワークフローを有効化する新しい開発ツールを構築する新しい分野のクリエーターたち(そして、可能性としてマーケットプレースを通じてそれを他の開発者にできるようにする)が生まれるようになるでしょう。 Roblox Open Cloudによって、開発者は自分のビジネスを新しい境地に押し上げることができ、これはより大きなチームに対応するということを意味しています。アーティストやコード製作者などの特定の領域へのサポートと環境をさらに豊かにする他のツールの統合です。 それだけでなく、ユーザーに安全で柔軟性のあるプラットフォームを提供し、Robloxのリソースに途切れなくアクセスできるようにしてくれます。 こういった改善によってRobloxで可能になったことは、 信じられないくらい高速で信頼性のより高いエンジンによって、開発者が今までよりもより良く、さらに動的で高い性能の体験を制作できるようになったことです

ストレージ は、プラットフォームの拡張が必須な構成要素です。 データがさらに複雑になるのに対応して、開発者がさらに柔軟になれるようにするために、当社の データストアは、現在では昨年のRDCに比べて16倍の大きな容量に対応しており、当社は低いレイテンシのメモリストア データサービスで、開発者に素早く体験内にあるすべてのサーバーで共有されている非永続データにアクセスできる能力を与えることで全体的にこれまでになく強化されました。 後者は、開発者にとってグローバルなリーダーボードのランキングをストアしてアップデートしたり、スキルレベルに応じて体験内での対戦相手の決定を最適化したりするのにいい方法です。 これは、ほんの始まりであり、これからもっと色々なことが起きてきます!

共有している土台: コミュニケーションと礼節

より深い没入体験を可能にする方法を探る上で、Roblox上にまったく新しい次元の交流がスペーシャルボイス(Spatial Voice)ベータ版 の始動によって加わりました。 声とジェスチャーは、人間の自己表現にとって重要なものです。 遠くにいる誰かに分かるように声を上げたり、周りに気を遣っている時はささやいたり、私たちは一人でいる時と人と一緒にいる時ではコミュニケーションのスタイルを変えます。 将来的には、エモートを通じてだけでなく、ウェブカメラを通じて捉えられた表情からも、言葉にニュアンスや感情をつけることができるようになるでしょう。 これがサポートするのは、意義深い体験のスケーラビリティと メタバースでの交流です

最後に、安全と礼節はみんなが受け入れられていると感じる包括的な(差別のない)コミュニティを作るという当社のビジョンにとって根本的なものです。 当社は、モデレーションのサポートを強化しています。 当社は、今年はボットの露出を75%以上削減し、開発者が自分たちのコミュニティを管理できるツールを構築中です。 まもなく公開される体験ガイドラインと最近、始動した 年齢認証サービス は、幅広い体験上での安全と礼節のある交流を動的なレベルで向上させることに貢献します。 これは、Robloxプラットフォーム全体での一貫性を確実に保ちつつ、素晴らしいユニークな体験を構築する自由を開発者に与えてくれます。 安全と礼節の実践を向上させ続けていくにつれ、ユーザーもクリエーターも悪いことをする人たちに対処するのに内容規制の結果を待つよりも、自分の思い描いたものを現実にしていくことに時間を使うことになるでしょう。

未来に目を向けると、当社はメタバースは人が共有体験を通じてお互いに繋がったり、何かを制作したり、自己表現する方法を変え続けていくのが見えます。 古代ローマについて知りたければ、当時の街中をクラスメイトと一緒に歩きながら学んだり、遠く離れた場所に住んでいる友達と一緒にノリノリのコンサートに行ったり、世界中にいる同僚たちと親睦を深めるバーチャルイベントを主催したりできます。 実生活でできるほとんどすべてのことをRoblox上で体験できるのです。 皆さんには、最前列の特等席をご用意しておきます。